- ✓バクテリオファージの大きさはどのくらい?
- ✓身近なものと比較してみよう
- ✓体積でも考えてみよう
バクテリオファージの大きさはどのくらい?
バクテリオファージ(以下ファージ)の大きさは数十~数百ナノメートル(nm)です。1nmというのは10億分の1m(10-9m)のことなので、ファージは大変小さいということになります。
と言っても、なかなかその小ささを想像することは難しいと思うので、身近なものと比較して説明したいと思います。
下のイラストは大腸菌、人間、日本列島(鹿児島から稚内まで)を比較したものです。
大腸菌、人間、日本列島の間にはそれぞれ千×千=百万倍の開きがあります。
つまり、手のひらの大腸菌を千倍の倍率の顕微鏡で覗くと1.7mmの物体として見えるということです。
この時(人間が大腸菌を顕微鏡で見た時)の感覚は、宇宙ステーションから望遠鏡で日本に住む鈴木さん(身長1.7m)を認識する時の感覚と同じです。
因みに、ファージ(170nm)の大きさは宿主大腸菌(1.7μm)の約十分の一。
顕微鏡で見た時の人間にとっての大腸菌の大きさを、宇宙ステーションから望遠鏡で見た時の人間に喩えるとすると、ファージは17cmのネズミといったところでしょうか。
体積でも考えてみよう
同じように体積の感覚も重要です。
大腸菌の体積は約1μm3。
1mlは1兆μm3。
人間の消化管には約500mlの大便の素が存在しその約20%が細菌だとすると、1人の人間につき100兆の細菌が消化管に存在することになります。
細菌がそんなに居るならファージがそれ以上居てもおかしくないと思うのですが、体内に共存するファージの量やその役割は分からないことばかりです。