バクテリオファージとは

バクテリオファージの検出方法

2020.02.17

皆さんの中には、バクテリオファージの検出方法について気になっている方もいらっしゃるかもしれません。ということで、今回は最も一般的なバクテリオファージの検出方法である「プラークアッセイ法」について紹介したいと思います。

用意するもの

  • ✓軟寒天(寒天の濃度0.5%)培地
  • ✓普通寒天(寒天濃度1.5%)を含むシャーレ
  • ✓宿主細菌の培養液
  • ✓ファージ液

方法

1.小試験管に分注した軟寒天培地を一旦100℃の湯煎で溶かし、その後45℃まで冷却し保温します。45℃なら軟寒天は固まりません。

2.ファージと宿主細菌を含む試料を45℃の軟寒天培地にそれぞれ加え、素早く混合した後、速やかに普通寒天プレート上に注ぎます。短時間なら宿主細菌とファージを45℃に晒しても死滅することはありません。

3.普通寒天上の軟寒天が固まってから宿主細菌の培養最適温度で十数時間培養します。軟寒天が固まらないうちに移動すると軟寒天が不規則に固まるため、きれいなプラークができません。

プラークアッセイ法のイラスト(東工大の宮永先生提供)

4.ファージを含まない軟寒天は宿主細菌が増殖し、不透明になります。一方ファージを含む軟寒天ではファージが増殖し周辺の宿主細菌の増殖を阻害するので透明のままです。透明の領域を「プラーク」と呼び、プラークは増殖したファージを多く含みます。

ファージが形成したプラーク(東工大の丹治教授提供)

5.もしプラークに含まれるファージを培養したいなら、プラークをチップの先で吸い取り、宿主を含む液体培地に添加するとファージが増殖します。

※このように回収されたファージ懸濁液の中には細菌細胞由来のタンパク質や毒素、培地成分などが含まれています。そのため、ファージセラピーに利用するには追加的な精製処理を実施する必要があります。

コツ・ポイント

・重要なのは45℃です。この温度では軟寒天は固まりませんし宿主細菌もファージもすぐには死滅しません。しかし軟寒天が完全に溶けていなかったり宿主細菌とファージを入れ混合した後、時間が経ったりすると軟寒天が固まりはじめ、きれいなプラークができません。

・ファージ株が異なっていても同じようなプラークを形成するので、ファージ株間のコンタミネーションには注意しましょう。


参考文献:
永井 利郎・山﨑 福容(2019). バクテリオファージの取扱法 微生物遺伝資源利用マニュアル

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