バクテリオファージとニキビ

【皮膚科医監修】「菌バランス」がニキビのない健やかな肌を作る!

2019.10.09

この記事の要点は…
  • ✓肌は「色んな微生物が生息している人体で一番大きな臓器」
  • ✓肌に生息する菌は、肌をニキビのない状態に保つ上では欠かせない存在
  • ✓菌バランスが崩れてしまうと、普段悪さをしない菌が皮膚のトラブルを引き起こす

「菌バランス」と聞くと腸の菌バランスを思い浮かべる方が多いかもしれません。

実は菌は腸内だけではなく、肌にも生息しています。

そして、肌にいる菌はバランスを取りながら、ニキビのない健やかな肌を作ってくれています。今回は肌にいる菌がどんな働きをしてくれているのかについてご紹介していきたいと思います。

肌にいる菌の働き

肌は、無数の微生物が生息していることから、「色んな微生物が生息している人体で一番大きな臓器」と呼ばれています。

肌に微生物がいると聞くと気持ち悪いと思う方もいるかもしれません。しかし、実は肌にいる微生物の多くはヒトにはない機能を持っていて、肌をニキビのない状態に保つ上では欠かせない存在となっているのです。

肌に生息する善玉菌は次のような働きをしてくれています
  • ✓病原菌から肌を守る
  • ✓皮膚の炎症を抑える

肌にいる菌の種類

肌にいる代表的な菌として「アクネ菌」「表皮ブドウ球菌」「黄色ブドウ球菌」があります。

アクネ菌


「アクネ菌」は一般的にはニキビを引き起こす菌として知られています。

しかし、実は「アクネ菌」は普段は善玉菌の働きをしており、菌バランスが崩れない限りニキビを引き起こしません。

「アクネ菌」は皮脂腺や毛穴に生息しています。
アクネ菌は酸素を嫌うので、酸素の少ない皮脂腺や毛穴は、アクネ菌にとってとても住み心地のよい環境なのです。



アクネ菌は皮脂を材料にして、肌を弱酸性に保つ物質(※1)を作ります。
こうしてアクネ菌は肌を弱酸性にすることで、病原菌(※2)が増えないようにしてくれているのです。

ところが、皮脂の量が増えるなどして毛穴が塞がってしまうと、アクネ菌が増えすぎてしまい、赤ニキビができてしまいます。

※1 遊離脂肪酸
※2 黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌など

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は蒸し暑い場所(毛穴など)を好みます。

黄色ブドウ球菌は菌バランスがとれた状態だと何も悪さをしません。

しかし、肌を弱酸性に保ってくれる菌が減少して皮膚がアルカリ性に傾いてしまうと、黄色ブドウ球菌が増えすぎてしまい炎症が起きてしまいます。

表皮ブドウ球菌

表皮ブドウ球菌は皮膚を病原菌から守る上で大切な役割を果たしています。

表皮ブドウ球菌が作り出す物質(※2)は、悪玉菌(※3)の働きを抑えてくれます。
また、表皮ブドウ球菌は、皮膚の炎症を抑える働きをする物質(※4)も作り出しています。

※2 フェノール可溶性モジュリン
※3 黄色ブドウ球菌やA群連鎖球菌など
※4 リポテイコ酸

菌バランスがとれた状態では、皮膚に生息する菌は皮膚を守る役割を果たしてくれています。

しかし、菌バランスが崩れてしまうと、普段悪さをしない菌が皮膚のトラブルを引き起こすことになってしまうのです。 肌をニキビのない健やかな状態にするには、増えすぎてしまった「悪玉菌」を減らすことで正常な菌バランスを取り戻すことが必要になってきます。

次の記事では増えすぎてしまった「悪玉菌」を減らす方法について紹介します。

次の記事
ニキビ原因菌を退治する?!バクテリオファージの働き

"ニキビ原因菌を退治する?!バクテリオファージの働き"


参考文献:E. A. Grice, J. A. Segre (2011). The skin microbiome, Nature Reviews Microbiology vol. 9, pp 244–25.

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