バクテリオファージとニキビ

【皮膚科医監修】マスクをつけ続けるとニキビができる?

2020.04.14

新型コロナウイルスの感染が日本でも広がっており、外出時はマスクをしている人も多いでしょう。

そこで気になるのが、肌への影響。マスクを一日中付けているということは、肌への刺激が一日中続いているということ。

市販されているマスクによる肌の影響を調べる研究はありませんが、N95マスクの肌への影響は報告されています。N95マスクとは、感染源から着用者を守るために医療従事者が使う特別なマスクで、顔に密着することが特徴です。この記事では、2006年に発表された研究結果を見ていきます。

簡単にまとめると…
  • ✓マスクを使うスタッフ307名のうち肌の問題を訴えたのは109名で、彼らは全員N95マスクを着用していた
  • ✓N95マスクの長期間着用で、109名のうち65名がニキビを、56名がかゆみを、39名が発疹を報告した
  • ✓原因は、N95マスク下にできる高温多湿の環境と、圧迫による毛嚢脂腺の閉塞かもしれない

SARS流行で長期間マスクを着用した医療従事者から調査

2003年、重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行し、世界32の地域と国で8000件を超える症例が確認されました。医療従事者は、NIOSH(米国労働安全衛生研究所)規格に合格したマスクであるN95 マスク、手袋、ガウンなどの個人用防護具(PPE)の常用を余儀なくされました。

そこで、2006年に発表された論文では、PPEの長期着用の肌への影響を調べるため、シンガポールの国立皮膚センター(NSC)とTan Tock Seng病院の医療従事者を対象に調査を実施。調査を求められた340人のうち、322人(94.7%)が調査を許諾しました。

マスクを定期的に使用しているスタッフ307名中109名(35.5%)が、N95マスク使用によるニキビ(59.6%)、顔のかゆみ(51.4%)、発疹(35.8%)を報告しました。

マスクの影響

マスクを定期的に使っていた307名のスタッフのうち109名(35.5%)が、何らかの皮膚の問題を報告しました。109名のうち、65名(59.6%)がニキビを、56名(51.4%)がかゆみを、39名(35.8%)が発疹を訴えました。皮膚の反応が起きたスタッフは全員N95マスクを着用しており、1日平均8時間、平均8.4ヶ月使用していました。ただし、サージカルマスクやペーパーマスクのみを着用していたスタッフから、皮膚の問題は報告されませんでした。

また、ニキビ発生を報告したスタッフは平均29.5歳と、そうでないスタッフ(平均33.2歳)より若かったことが知られています。

N95マスクの長期間使用でもっとも多く報告された皮膚の問題はニキビでしたが、これには2つの説明があり得ます。1つは、マスクで覆った部分が高温多湿の環境になり、ニキビ発生には最適な状態になること。2つ目は、マスクがピッタリと顔にフィットして圧迫することで、毛嚢脂腺が閉塞して、ニキビの再燃を引き起こす可能性があることです。

とはいえ、この研究では自己申告式のアンケートで調査したため、ニキビなどの問題の程度はわからないこと、そして、研究者による検証を経たものではない、主観的な報告であることは留意する必要があるでしょう。


参考文献:
Foo CC, Goon AT, Leow YH, Goh CL. Adverse skin reactions to personal protective equipment against severe acute respiratory syndrome ‐ a descriptive study in Singapore. Contact Dermatitis 2006;55(5):291‐294.

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